金属加工でよく使われるSUS403の特徴

ガンドリル加工やBTA加工でもよく使われるSUS403の特徴
SUS403は、ガンドリル加工やBTA加工でもよく使われる材質です。成分は炭素(C)やマンガン(Mn)、ケイ素(Si)やリン(P)、硫黄(S)やクロム(Cr)が含まれており、マルテンサイト系のステンレス鋼に含まれます。ステンレス鋼というと多くの方はイメージしやすいと思いますが、タービン部品やボルト/ナット、ポンプ部品、ナイフや刃物に使われることが多いです。

ガンドリル加工やBTA加工で使われるステンレスは配合する金属によって多岐に渡り、SUS403のみならず、切削性に長けているSUS303や、耐食性に長けているSUS316など200種類以上の種類に分けられます。


金属加工でよく使われるSUS403

金属加工でよく使われるSUS304

SUS403は、マルテンサイト系ステンレス鋼のクロムを含んでおり、一般的な環境下での腐食に対して耐性があります。また熱処理により高い強度と硬度を得ることができます。特に、焼入れ・焼戻し処理によって、機械的性質が向上します。

SUS403は比較的良好な機械加工性を持っています。切削や研削などの加工が容易であり、工具寿命も比較的長いです。またSUS403はマルテンサイト系ステンレス鋼であるため、磁性を持ちます。磁気的な特性が求められる用途にも使用されます。


そもそも「SUS」や「数字」はなに?

SUS Steel Use Stainless
数字 300:オーステナイト系
400:フェライト系かマルテンサイト系

”SUS403”の読み方は、金属加工業者によってさまざまで「サスヨンマルサン」や「ヨンマルサン」といった呼ばれ方をされます。このSUSという記号は、「Steel Use Stainless(錆びにくい特殊用途鋼)」の頭文字を取ったものです。

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金属コラム【ステンレス】ステンレスは、英語でstainless steelと表記しますが、「汚れ(stain)がない(レス)」という意味の言葉で、錆びにくいという特性をあらわします。ステンレスは耐食性や強度を向上させるために、主成分である鉄(Fe)にクロム(Cr)やニッケル(Ni)を混ぜて作られる合金にあたる。

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金属加工で使われるSUS403の強み

金属加工でよく使われているSUS403ですが、その理由として挙げられるのが強みが多岐に渡るという点が挙げられます。

SUS403の強み[耐食性]

SUS403はクロムを含んでいるため、耐食性があり、一般的な環境下での腐食に対して耐性があります。ただし、塩分や酸性環境下では他のステンレス鋼(例えばオーステナイト系ステンレス鋼)ほどの耐食性はありません。

SUS304の強み[強度と硬度]

SUS403は熱処理(焼入れと焼戻し)によって高い強度を持つようになります。これにより、機械的な負荷に耐える能力が向上します。また熱処理によって硬度も向上し、耐摩耗性が高まります。これにより、長期間の使用に耐えることができます。

SUS304の強み[耐熱性]

SUS403は高温でも比較的良好な強度を保持しますが、非常に高温(800℃以上)では、他の耐熱性ステンレス鋼(例えばSUS310やSUS316)の方が優れた性能を発揮します。またSUS403は高温環境下での酸化に対して一定の耐性を持ちますが、長期間の高温暴露や過酷な酸化環境では表面の酸化やスケーリングが発生する可能性があります。


金属加工で使われるSUS403の弱み

SUS403の弱み[溶接性の問題]

SUS403はマルテンサイト系のため、溶接後の熱処理が必要になることが多いです。溶接部での硬化やひび割れが発生するリスクがあり、溶接工程が難しいことがあります。

SUS403の弱み[耐食性の低さ]

SUS403はクロム含有量が比較的少ないため、オーステナイト系ステンレス鋼(例:SUS304やSUS316)に比べて耐食性が低いです。特に塩水環境や酸性環境下では腐食しやすいです。

SUS403の弱み[低温脆性]

SUS403は低温での脆性が問題となることがあります。特に極低温環境では脆くなりやすいため、低温環境下での使用には向いていません。またSUS403は硬度が高いため、切削加工や研削加工が難しいことがあります。特に複雑な形状や細かい部品の加工には向いていないことがあります。


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