ステンレス加工コラム
ステンレスは、英語でstainless steelと表記しますが、「汚れ(stain)がない(レス)」という意味の言葉で、錆びにくいという特性をあらわします。ステンレスは耐食性や強度を向上させるために…
金属加工でよく使われるSUS410の特徴
SUS410は、ガンドリル加工やBTA加工でもよく使われる材質です。成分はクロム含有量が11.5～13.5%が含まれており、マルテンサイト系のステンレス鋼に含まれます。ステンレス鋼というと多くの方はイメージしやすいと思いますが、バルブ部品、シャフト、ボルト、ナットなどの自動車業界や、建築・土木業界の手すり、ボルト、ナット、締結部品に使われることが多いです。
ガンドリル加工やBTA加工で使われるステンレスは配合する金属によって多岐に渡り、SUS410のみならず、切削性に長けているSUS303や、耐食性に長けているSUS316など200種類以上の種類に分けられます。
金属加工でよく使われるSUS410
SUS410はクロム含有量が11.5～13.5%で、耐食性がありますが、他のオーステナイト系ステンレス鋼（例：SUS304）ほどではありません。水や大気中では耐食性がありますが、塩分を含む環境や酸性の環境では腐食しやすいです。
SUS410は比較的加工がしやすいため、複雑な形状の部品の製造にも向いています。特に、精密な寸法が求められる部品に適しています。
そもそも｢SUS｣や｢数字｣はなに？
- SUS
- Steel Use Stainless
- 数字
- 300:オーステナイト系、400:フェライト系かマルテンサイト系
”SUS410”の読み方は、金属加工業者によってさまざまで「サスヨンイチマル」や「ヨンイチマル」といった呼ばれ方をされます。このSUSという記号は、「Steel Use Stainless（錆びにくい特殊用途鋼）」の頭文字を取ったものです。
金属加工で使われるSUS410の強み
金属加工でよく使われているSUS410ですが、その理由として挙げられるのが強みが多岐に渡るという点が挙げられます。
SUS410の強み[耐食性]
SUS410はクロム含有量が11.5～13.5%で、耐食性がありますが、他のオーステナイト系ステンレス鋼（例：SUS304）ほどではありません。水や大気中では耐食性がありますが、塩分を含む環境や酸性の環境では腐食しやすいです。
SUS410の強み[機械的性質]
強度と硬度が高いのが特徴で、特に焼き入れや焼き戻し処理を行うことで、さらに硬度を高めることができます。焼き入れ後の硬度はHRC40～50程度になります。れにより、耐摩耗性が向上し、寿命が長くなります。高硬度のため、摩耗に対する耐性が強く、長期間使用しても性能が劣化しにくいです。
SUS410の強み[加工性]
SUS410は工硬化が少ないため、冷間加工や機械加工が比較的容易です。他のステンレス鋼に比べて加工中に硬くなりにくい特徴があります。加工性が良いため、複雑な形状や精密な部品の製造にも向いています。旋盤加工やフライス加工、穴あけ加工などの一般的な機械加工が容易に行えます。
金属加工で使われるSUS410の弱み
SUS410の弱み[溶接性の問題]
SUS410はマルテンサイト系ステンレス鋼であり、溶接後に硬化しやすいため、溶接部が非常に硬くなります。これにより、脆くなりやすく、ひび割れが発生するリスクが高まります。そのため、溶接後には適切な熱処理（焼き戻しや応力除去）が必要です。この工程は時間とコストがかかります。
SUS410の弱み[耐食性の低さ]
SUS410はクロム含有量が11.5～13.5%で、オーステナイト系ステンレス鋼のSUS304（18%）やSUS316（16%）に比べて耐食性が低いです。このため、塩水環境や酸性環境下では腐食しやすく、これらの環境で使用する場合は注意が必要です。
SUS410の弱み[低温脆性]
SUS410はマルテンサイト系ステンレス鋼であり、低温環境では脆性が増加します。特に極低温（-50°C以下）では、急激に脆くなる傾向があります。このため、低温環境での使用には向いていません。SUS410はある程度の耐食性を持っていますが、オーステナイト系ステンレス鋼（例：SUS304、SUS316）ほどの耐食性はありません。塩分や酸性環境では腐食しやすいため、厳しい腐食環境での使用には適していません。
ガンドリル加工で世界一を目指す
私たちが得意とするのは、ガンドリルマシン・BTAマシンによる細穴加工と深穴加工です。弊社ではガンドリルマシン・BTAマシン・CNC複合旋盤を複数台設置、徹底した効率化と高度化を図り、国内外からのニーズにお応えしています。
また、人材育成とガンドリル・BTA周辺装置更新を積極的に行い、社内生産効率を大幅アップに成功し、材料手配から納品までをより高品質・短納期対応可能な仕組みを確立しました。
ガンドリル加工の実績
ガンドリル加工の関連記事
金属加工コラム
金属加工は数千年の歴史があります。諸説ありますが、太古の金発掘が金属加工の始まりといわれ、飛行機や船といった大掛かりの金属加工や、銅像や車といった中程度の加工、スマホや硬貨といった…
関連法人のご紹介
株式会社無双
溶接のことなら株式会社無双にお任せ下さい！ステンレス・アルミから、鋳物・チタン等の特殊金属まで、金属溶接・機械加工を高品質・短納期で対応いたします。図面1枚で材料手配から完成まで…
ガンドリルやBTA加工は不二新製作所
ガンドリル加工やBTA加工についてのお問い合わせは、お電話か下記のメールフォームよりお願いします。ガンドリル加工やBTA加工の材料となる金属材の手配から、ガンドリル加工やBTA加工まで一貫生産をより高品質・短納期で金属加工ができる仕組みを確立しています。他社で「できない」と断られた難しいとされている金属加工（ガンドリル・BTAなどの深穴加工や細穴加工）もぜひご相談ください！お問い合わせは、お電話か下記のメールフォームよりお願いします。
各種書類のFAX送信は
06-6794-5881
